実家が空き家になる前に|相続ではなく“家族信託”という選択肢を

親が施設に入る、または亡くなった後、実家が空き家のまま放置されるケースが増えています。
空き家は防犯や税金の負担、管理の手間など大きな問題を生みます。だからこそ相続が始まる前に、家族信託という仕組みを利用して管理や処分をスムーズにできるよう備えることが大切です。
今回は「実家が空き家になる前に考えたい家族信託の活用」についてお話しします。

空き家問題が深刻化している

全国的に空き家は増加傾向にあり、社会問題になっています。空き家を放置すると、防犯面で不安があるだけでなく、固定資産税や修繕費用などの経済的負担が続きます。

さらに、近隣から「景観が悪い」「草木が伸びて迷惑」といった苦情が出ることも少なくありません。
親が元気なうちは住み続けられても、入院や施設入所で急に住めなくなることは珍しくないため、事前の備えが重要です。

相続が始まると処分が難しい

相続が発生すると、実家の名義は相続人全員の共有になります。売却や賃貸に出すには全員の同意が必要となり、一人でも反対すれば動かせません。
兄弟姉妹の意見が分かれて話し合いが長引くと、結局「誰も使わないのに維持費だけかかる」状態に陥ります。
相続開始後では自由度が低くなるため、事前に「誰が管理するか」を決めておく仕組みが不可欠です。

家族信託なら柔軟に管理できる

家族信託は、財産を持つ親が「信頼できる子ども」に不動産の管理や処分を任せられる仕組みです。
例えば、将来空き家になったときに「長男が売却して管理費用にあてる」といったことを生前に決めておけます。
遺言と違い、生前から効力があり、親が元気なうちに任せられるのが大きな特徴です。

また、成年後見制度と比べても柔軟に動けるため、不動産の処分や賃貸化にも対応できます。

家族間で安心して話し合えるきっかけに

「相続」という言葉を出すと身構えてしまう人も多いですが、「空き家をどうする?」という具体的なテーマなら話しやすくなります。
家族信託は、財産の承継だけでなく、家族で安心して話し合うきっかけにもなります。
親の希望を尊重しつつ、子ども世代の負担を軽くする手段として、今のうちに取り入れておくと安心です。

相続や家族信託には、専門的な知識が必要です。司法書士に依頼するメリットは、法律に沿った確実な仕組みを整えられることです。
ただし、デメリットとして費用や手続きの時間がかかります。

それでも、家族だけで悩んで放置するリスクを考えれば、専門家に相談する価値は十分にあります。
当事務所では、依頼者のご事情に合わせて柔軟にアドバイスをいたします。空き家になる前に、ぜひ一度ご相談ください。